乾癬(かんせん)とは

乾癬は、皮膚が赤くなって盛り上がり、表面に銀白色のフケのようなものができて、ボロボロとはがれ落ちる皮膚の病気です。
半数くらいの方に爪の異常がみられ、また半数の方がかゆみを感じます。

他の人にうつることは決してありませんし、全身への影響もほとんどありません。
ただ、なかなか治りにくく、見た目が問題になります。
 
 

原因

乾癬の原因はまだ分かっていませんが、「体質的素因」の上に、様々な「環境因子」が重なり合って、はじめて症状が発現すると考えられています。

患者数

わが国には、10万以上の方が、乾癬で悩んでおられると推定されています。
すなわち、日本では1000人に1~2人の割合ということになります。男女比では2:1で、男性に多いと言われています。

できやすい場所

乾癬は、爪を含む皮膚のあらゆる部分に現れます。
特に、肘、膝、すね、腰まわり、頭など、摩擦の刺激を受けやすい場所に多く、左右対称にできやすいという特徴があります。

また、日光のあたる部分(顔など)には少ないと言われています。
 
 

スキンケアと日常生活

日常生活でのセルフコントロール

1  皮膚への刺激の少ない衣服を。

2  食事はバランスよく。

3  飲酒、タバコは控えましょう。

4  日光浴をしましょう。

5  入浴は毎日行い、身体を清潔に。

6  ストレスをためないように。

7  感染症に注意しましょう。


治療

乾癬は良くなったり、悪くなったりを繰り返すのが特徴で、あせらず治療に取り組むことが大切です。
完全に治す治療法はまだ見つかっていませんが、症状を和らげたり抑えるには、外用、内服、光線、注射等の療法があり、これらを単独または組み合わせて治療します。

外用療法(塗り薬)

ステロイド外用薬

炎症を抑えます。 最も広く用いられています。比較的短期間で効果が得られます。
ただし、長期間塗り続けると皮膚が薄くなることがありますので注意が必要です。

ビタミンD3外用薬

皮膚の新陳代謝を抑えます。 最近は、第一選択薬として用いられています。
ステロイド外用薬と比べて効果が現れるのが遅いようですが(2~3ケ月)、長期間塗り続けても副作用が少なく、ステロイド外用薬と同等の効果が得られます。

内服療法(飲み薬)

シクロスポリン

炎症をより抑える免疫抑制剤です。 症状がひどいときに用います。当院においても、治療効果はかなり高いです。

光線療法(紫外線療法)

特に、特定波長のナローバンドUVBの照射が有効で、当院も行っています。